社員5万人超の企業で会長秘書を1年半経験して気づいた、40代が信頼される人の共通点
「特別なスキル」よりも大切だったもの
.png)
社員数5万人を超える企業で、取締役会長の秘書を担当してから1年半が経ちました。
華やかな仕事を想像されることもありますが、実際はその逆です。
毎日発生するのは、
・細かな調整
・突発的な依頼
・判断に迷う雑事
の連続。
正直、最初の頃は
「自分に務まるのだろうか」
という不安の方が大きかったと思います。
そんな日々の中で、少しずつ腹落ちしてきた言葉があります。
凡事徹底。誰にでもできることを誰よりもやる。
この言葉こそが、
1年半を通して私が学んだ「信頼される40代」の本質でした。
はじめに ─ 会長秘書の仕事は「判断の連続」でできている
雑事の中にこそ、本質がある
会長秘書の仕事は、予定調整や資料管理だけではありません。
実際には、
- 誰に、いつ、どの順番で話を通すか
- これは今すぐか、少し待つべきか
- 表に出すべきか、裏で処理すべきか
といった 小さな判断の連続 です。
一つひとつは目立たない雑事ですが、
この積み重ねが、会長や関係者の「時間」と「判断の質」を支えています。
正解が用意されていない場面が多い
マニュアル通りにいかない場面も多く、
「これが正解」という答えが最初からあるわけではありません。
だからこそ必要だったのが、
一般的な常識を持ったうえでの判断力でした。
- 相手の立場から見てどうか
- 社会通念として違和感はないか
- 後から説明できる判断か
こうした視点を、常に自分に問い続ける必要がありました。
学んだのは「目配り・気配り・先回り」
目配りと気配りは、信頼の土台
まず徹底的に求められるのが、目配りと気配りです。
- 表情や声のトーンの変化
- 会議の空気
- 些細な違和感
これらに気づけるかどうかで、
次の行動が大きく変わります。
ただ、これだけでは十分ではありませんでした。
特に大切だったのは「先回り」
1年半の経験で、最も重要だと感じたのが 先回り です。
- これから必要になりそうな資料を事前に準備する
- 問題になりそうな点を、表に出る前に整理する
- 「言われてから動く」を極力なくす
この先回りは、才能ではありません。
考え続ける姿勢そのものです。
ここでも結局行き着いたのは、凡事徹底でした。
誰にでもできる準備を、
誰よりも丁寧に、誰よりも早くやる。
それを毎日続けることが、
少しずつ「任せても大丈夫」という評価につながっていきました。
失敗しながら、愚直に積み重ねてきたもの
もちろん失敗もあった
最初からうまくできたわけではありません。
- 読みが外れた
- 先回りしたつもりが的外れだった
- 判断が遅れて迷惑をかけてしまった
こうした失敗は、今でもゼロではありません。
信頼は「失敗しないこと」ではなく「積み重ね」で生まれる
それでも感じているのは、
信頼は失敗しない人に集まるわけではないということです。
- 失敗を認める
- 次にどう活かすかを考える
- 同じことを繰り返さない
この姿勢を、派手さはなくても
毎日、愚直に続けること。
その積み重ねが、少しずつ
「任せても大丈夫」という評価につながっていきました。
40代だからこそ、信頼は武器になる
スピードよりも「安定感」
20代・30代の頃は、スピードや勢いが評価される場面も多いと思います。
一方で、40代になると求められるのは、
- 判断の安定感
- 周囲への配慮
- 全体を見たうえでの行動
こうした要素です。
会長秘書の仕事を通じて、
40代は“信頼を積み上げるのに最も適した年代”
だと強く感じるようになりました。
特別なことをしなくてもいい
信頼されるために、
無理に背伸びをする必要はありません。
- 目配りをする
- 気配りを忘れない
- 先回りを考える
- 常識を持って判断する
- それを毎日続ける
誰にでもできることです。
だからこそ、
誰よりもやることに意味があるのだと思います。
この1年半で学んだことを、一言でまとめるなら
ここまで振り返ってきた1年半を、
あえて一言でまとめるなら、答えはひとつです。
信頼に、近道はなかった。
ただ、凡事徹底を続けることだけが、
確実に信頼につながっていった。
誰にでもできることを、
誰よりも丁寧に、誰よりも継続する。
それ以外の方法は、
少なくとも私には見つかりませんでした。
おわりに ─ 凡事徹底は、静かに効いてくる
会長秘書としての1年半は、
大きな成功体験よりも、
小さな当たり前を続けることの価値を教えてくれました。
凡事徹底。
誰にでもできることを誰よりもやる。
この姿勢は、
すぐに評価されるものではありません。
けれど、
誰にも見られていない雑事の中で、
失敗しながらも続けた行動は、
気づけば信頼として積み上がっていました。
40代は、
「もう遅い年代」ではありません。
信頼という、最も再現性の高い武器を磨ける年代です。
これからも、
派手さよりも愚直さを選びながら、
日々を少しずつアップデートしていきたいと思います。
